新聞などでは「戦後最悪」「超氷河期」といわれて久しい就職戦線。とりわけ女性は非常に厳しい状況で、今年も昨年同様もしくはさらに悪くなりそうです。
就職活動中の女性が来院するのは夏から秋にかけての時期。みんな疲れきった顔をして診察室に入ってきます。
病状はさまざまですが、かなり重症の急性の便秘症状を訴える悪書さんが多く見られます。そんな患者さんから聞いた話をまとめてみると、「春から資料を集めたり、会社を回ったりして就職活動をしてきたが、内定どころか担当者と会うことさえままならない。だんだん気分がブルーになって睡眠不足になり、気がつくとひどい便秘になっていた」ということです。
初めての場所を訪れ、知らない人と蓋をする就職活動はそれだけでも相当なストレスになります。ましてなかなかいい返事がもらえないこのご時世ではストレスはたまる一方です。このストレスが便秘を呼び込んでしまったのです。
対策はストレスの上手な解消と安眠に尽きます。方法はいろいろありますが、今回は寝る前に簡単にできる腹式呼吸とマッサージを紹介しましょう。
まず、あお向けに寝てひざを曲げ、両手を下腹部(おへその下)にそろえておきます。肩の力を抜き、息を吸います。その時、・息に合わせて下腹部を膨(ふく)らませます。イメージとしては下腹部に置いた手が押し上げられるような感じです。息を吸い終わったら五秒間止め、今度はゆっくりと吐き同時に下腹部をへこませます。この時、下腹部を手で押さえないようにしてください。これを十回から十五回繰り返します。全身の力を抜いてリラックスして行ってください。
次はマッサージです。手のひらを右の下腹部にあて、ここからおへその上を通って左の下膜部、おへその下から右の下腹部へと楕円(だえん)を描くようにゆっくりとマッサージします。これも十回から十五回くらい繰り返します。軽くなでるような気持ちで行ってください。これだけのことでずいぶんリラックスでき、よく眠れるようになります。たまったストレスを上手に解消して就職戦線を乗り切ってください。