多くの女性が便秘に悩み苦しんでいます。しかし、排便というのは恥ずかしさを伴う行為のため、実態を知ることが困難で、それに関する調査も意外と少ないのが現状です。そこで、当院では女性の便秘の実態や健康に対する意識を知るため、OL510人を対象にアンケート調査を行いました。
その結果、20代までのOL、258人中、約60%が「便秘」もしくは「便秘気味」と答え、中では「1ヶ月も便秘が続いたことがある」という女性もいました。便秘の原因としてはいろいろあります。
特に若い女性には、「無理なダイエット」、「ストレス」、さらに出勤に伴う化粧や朝シャンなどで、「朝食抜きによる排便リズムの乱れ」や「便意の抑制」などの問題点が、この調査ではっきりしました。このことは、便秘には日常的な社会問題を多分にはらんでいるようです。また、80%が便秘解消に「食物繊維の摂取が効果的」と知っていながら「摂取が不十分」と答え、食事調整がなかなかできない実態が分かりました。しかし、便秘に悩まされながらも便秘は病気とは考えていないようで、便秘で医療機関を訪れた人はわずか2.7%でした。
でも、急増している大腸がんには便秘が原因となるケースがあります。また、気になる拭き出物、心臓病、脳卒中、心筋こうそく、さらに便秘が痔の引き金となることもあります。こうなると「たかが便秘」というわけにはいきません。女性がいつも美しく健康ではつらつと生活をエンジョイできるように、「されど便秘」の心構えで便秘は解消すべきだと思います。当院では、食生活、運動、ストレスの発散などさまざまな角度から、いろいろな予防法、解消法を研究していますので、いずれ紹介してみたいと思います。