第23話 食物繊維  配合食品なども利用して

食物繊維の摂取を心がければ、お通じがよくなりますよ」私は、便秘に悩む患者さんに決まってそうアドバイスします。欧米型の食生活が原因で最近は食物繊維が不足ぎみとなり、便秘の方が増えています。たかが便秘と考えがちですが、それが原因で痔になるケースも少なくありません。また21世紀には大腸がんが、胃がんを抜いてがんの死因の一位になると予想されています。現在の大腸がんの急増も、食物繊維の摂取不足が原因の一つと考えられていて、食生活の改善が求められています。

食物繊維は、従来は食物の”カス”とされていたものが、栄養素にも劣らない重要なものであることがしだいに明らかになってきました。例えば、血液中のコレステロールや血糖値を減らしたり、肥満防止に役立ちます。また、腸壁を刺激して便通を良くし、有害物質を吸着して早く体外に出してしまうので、大腸がんの予防にもなります。野菜や果物ではなく、実は海草類、きのこ類、穀物に多く含まれます。日ごろの食事では、どうしても一日五~七グラムほど、不足気味。献立に制限があり、食物繊維が不足する病院の給食を改善しようと、当院で始めたのが「ファイバー(繊維)給食」です。日ごろの食生活で自然な形で取り入れることができるようにと、うどんやラーメン、そしてデザート用の寒天に食物繊維を配合し、献立に加えたのです。その後、ラーメンと寒天は旭川の製めん業者、和菓子の老舗によって、さらに地元のパン屋さんも、食物繊維入り食パンを売り出し、市販化されました。

自然の食材で、食物繊維を十分にとれれば理想的です。しかし、それは現代の食生活ではなかなか難しいようです。不足気味の方はこういった食品も利用してみてはいかがでしょうか。


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