痔(じ)の悩みを抱えている人の6、7割を占めているのが痔核(いぼ痔)で、部位によって内痔核と外痔核に分かれます。このうち、肛門(こうもん)の入口付近に、普通エンドウ豆大の血まめのようないぼができるのが外痔核で、血栓性外痔核ともいいます。出血はありませんが、激しい痛みを伴います。
いぼの大きさは大小さまざまで、数も1つとは限りません。場合によっては、肛門の内側にできたいぼが外側に飛び出してくることもあります。この時、内痔核と間違えて押し込もうとしても元には戻りません。それに皮膚組織にできた血まめは、触れれば痛くて押し込めるものではありません。このように痔核は、痛ければ外痔核、痛くなければ内痔核というのが判断の目安になります。外痔核の場合は、鏡を使って自分の目で確認できるので、最も発見率の高い痔といえるでしょう。
前記したとおり、外痔核は痛みを伴います。便意が起きても排便できないほど激しい痛みを感じる場合もあります。さらに、肛門括約(かつ)筋がけいれん性の収縮を起こすため、痛くて歩くことも座ることさえもできず数日間苦しむこともあります。ですが、外痔核は痛みのわれいに治りやすいのも特徴のひとつ。放っておいても5~6日で痛みは和らぎ、やがて消えてしまいます。硬いしこりは残りますが、入浴などで血行を良くすれば、しばらくするとすっかり元通りになります。
ですから、治療は通常、切らずに患部を温めたり、軟こう薬を塗るなど簡単な処置で済みます。ただし、いぼの大きさがソラ豆大以上もあり、激痛が伴う場合は、患部を少し切開して血の固まりを取り出した方が痛みもとり、早く治ります。