子供たちのライフスタイルは近年、大きく様変わりし、規則正しい生活を送ることが難しくなってきているようです。生活のリズムが不規則になると、子供の健康と成長に悪影響を及ぼすことはもちろんですが、特に排便のリズムが狂うと、驚くことに学業の成績にも少なからず影響が現れます。この事実を裏づけるような面白いデータを紹介しましょう。
昨年9月、食品メーカーの「カゴメ」が首都圏の小中高生350人を対象に行った「子供のライフスタイルと排便実態に関する調査」では「1日1回うんちをする」という子は全体の38%で、これに対し「しない日もある」という子は合わせて42%。
女子は小学校高学年から高校生にかけて、急激に「便秘傾向」が増えています。当院が昨年、510人のOLを対象に実施した「便通の実態調査」でも、便秘の発現時期は「高校」「高校以前」が約60%を占めていました。
さらに、この「カゴメ」の調査では、子供の就寝時間・睡眠時間と朝の生活習慣との関連も調べていますが、「子供が成長するにつれ、就寝時間が遅くなり、平均睡眠時間が短く、起床時間も遅い」という傾向が浮き彫りになっています。起床時間が遅いと必然的に、朝起きてから家を出るまでの時間が短くなります。
この調査によると子供たちは「平均1時間程度」を朝の支度に費やしますが、この限られた短い時間内で優先的に行うことは「シャンプーと髪のセット」です。女子は成長とともにこの傾向が強く、これと反比例し「朝ご飯をきちんと食べる」や「トイレに行く」は減少しています。
さて、以上の調査結果から「夜更かし、朝寝坊、睡眠不足で、朝ご飯を食べないという生活リズムの乱れが、子供たちの排便を不規則にして、便秘ぎみの子供を増やしている」と考えられます。しかもこの調査では「便秘ぎみ」の子供は「寝付きが悪く、集中力がない」といいます。集中力がなければ当然、勉強にも熱中できませんから、学業成績は思わしくありません。成績アップには、まず便秘を治すことが必要です。
つまり、規則正しいライフスタイルの形成こそが成績アップの秘訣ということです。